

サンゲツ 特許取得の「Vパレ™」採用で積み降ろし作業時間を約87.5%短縮
特許取得の「Vパレ™」採用で積み降ろし作業時間を約87.5%短縮
サンゲツは2025年7月23日、内装材の物流プロセスを効率化するための新たなユニットロードシステムを導入し、その実効性を確認したと発表しました。独自開発の回転式パレット「Vパレ™」で、これによりトラックへの積み込み・積み降ろしにかかる時間を従来の約240分から約30分(約87.5%削減)に短縮しました。
背景:2024年問題と内装材の荷扱い特性
壁紙などの内装材は、長辺約90cm・重さ約20kgの約50mの巻き物状で納品されるケースが多く、従来は1本ずつ手作業で「バラ積み・バラ降ろし」されていました。この工程には1運行あたり約4時間(240分)を要しており、作業負担が大きいことが課題です。
また、物流業界では2024年から自動車運転業務における時間外労働の上限規制(2024年問題)が適用され、輸送能力の確保やドライバーの作業負荷軽減が求められています。
これらの背景を受けて、サンゲツは2024年6月、経済産業省の「物流効率化に向けた先進的な実証事業」に参画し、新たなユニットロード方式の開発に取り組みます。
「Vパレ™」によるユニットロードシステムの特長と導入成果
同社が導入したシステムは、回転式パレット「Vパレ™」と専用の回転フォークリフトを組み合わせることで、内装材をパレット単位で効率的に積み降ろしする仕組みです。
このシステム導入により、以下の成果が報告されています。
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積み込み・積み降ろし時間を約87.5%短縮(約240分 → 約30分)
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人力作業の大幅削減によるドライバーの負担軽減
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作業効率向上
「Vパレ™」は内装材の形状に適した構造を有し、搬送時と保管時で積み方を切り替えられる点が特徴です。同パレットに関しては、3件の特許を取得しています。
今後の展望
現在、北関東LC(埼玉県久喜市)と中部LC(愛知県稲沢市)で運用を開始。今後は全国の拠点へ順次拡大し、物流基盤の強化を図ります。また、同社はこの取り組みを「スペースクリエーション企業」への転換に向けた重要な施策と位置付けています。
参考サイト
・『特許取得の「Vパレ™」を採用した独自のユニットロードシステムで、積み込み・積み降ろしの作業時間を約87.5%短縮!「内装材」に特化したパレットを導入し、物流課題に対応』