

コマツが私有20フィートコンテナ導入、鉄道モーダルシフトを開始
年間約160トンのCO₂削減と安定輸送力の実現へ
2025年7月18日、コマツは、子会社のコマツ物流、日本通運、日本貨物鉄道と共同で、建設・鉱山機械用部品の輸送に特化した私有20フィートコンテナを用いた鉄道輸送を、2025年3月から開始したと発表しました。本取り組みは、気候負荷と輸送リスクの同時緩和を図り、環境性と安定性を兼ね備えた物流の再設計を目指すものです。
背景:既存モーダルシフト拡大の一環として
コマツは2018年5月から、小山工場(栃木県小山市)と粟津工場(石川県小松市)間の輸送に鉄道を活用し、モーダルシフトを推進。また、郡山工場(福島県郡山市)と大阪工場(大阪府枚方市)間でも同様の取り組みを継続してきました。しかし、粟津工場で生産されるトランスミッションの一部は、従来使用していた最大積載量5トンの汎用コンテナでは対応が困難で、トラックとの併用輸送を余儀なくされていました。そこで、この課題解決に向け、コマツ、コマツ物流、日本通運、JR貨物の4社は2024年度に「小松製作所粟津・関東工場間モーダルシフト協議会」を設立。国土交通省の「物流効率化法」に基づいた事業認定に加え、「モーダルシフト加速化緊急対策事業」に採択されました 。
輸送概要:600km区間に20フィート私有コンテナ導入
本取り組みでは、コマツが新造した20フィート(約6m)私有コンテナ6基を使用し、粟津工場~茨城工場間の約600kmの輸送を鉄道に転換しました。これらのコンテナは最大10トンまで積載でき、建設・鉱山機械用部品に合わせて設計されており、効率と安定性が向上しています。
この輸送スキームにより、トラックドライバー不足への対応を果たすとともに、従来トラックのみの場合と比較して年間約160トンのCO₂排出量削減を見込んでいます。なお、CO₂削減量の基準は“2024年の輸送計画に基づいて、トラック輸送と鉄道輸送の二者比較”による数値です。
今後の展望:脱炭素物流の継続拡大
コマツ、コマツ物流、日本通運、JR貨物は本取り組みを皮切りに、気候変動への対応を一層強化し、引き続きモーダルシフトなど環境に配慮した物流施策を拡大していく方針です。お客様や取引先とも連携しながら、事業活動に伴うCO₂排出量の削減と、持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。
参考サイト
・『建設・鉱山機械用部品のコマツ私有コンテナによる鉄道輸送の開始について~私有コンテナによる効率的で持続可能な輸送体系を構築~』