

【トラックドライバー】長時間運転におけるおすすめの日焼け防止&ケアガイド
長時間運転するトラックドライバーは、実は日焼けリスクが非常に高い職業のひとつです。窓ガラス越しに浴びる紫外線は、見た目以上に肌や健康に悪影響を及ぼすことがあり、気づかないうちに“片側だけ日焼け”や“肌のダメージ蓄積”が進行していることも。
本記事では、運転中の日焼けリスクと防止方法、そして万一日焼けした場合の効果的なケア法をわかりやすく解説します。特に日焼けや紫外線対策に悩むトラックドライバーの方に役立ちます。
長時間運転するトラックドライバーにとって、日焼け対策は単なる肌ケア以上に健康を守る必須対策です。日焼け対策の基本から対策方法、日焼けしやすい部位について確認し、少しずつ日焼けを防いでいきましょう!
目次
トラックドライバー向け日焼け対策の基本
トラックドライバーは、運転中も窓越しに紫外線を浴び続けるため、屋外作業者以上に日焼けリスクにさらされている職業です。ここでは、日焼けの基本知識とその特徴について紹介します。
運転席側だけで顕著に日焼けが進む片焼けは、トラックドライバーに多く見られる典型的な症状です。実際米国皮膚科誌(Viral Photo Offers Evidence of Sun’s Aging Effect on Skin:https://news.feinberg.northwestern.edu/2012/06/20/sun-damage/)では、69歳のトラックドライバーが28年間運転を続けた結果、運転席側の顔だけが他方より20年分以上老化していたという衝撃的な事例も報告されています。
こうした偏った日焼けの主な原因は、車内でも届いてしまうUVA(長波長紫外線)にあります。UVAは肌の奥まで到達してコラーゲンを破壊し、しわ・たるみ・皮膚がんの原因にもなります。曇り空でも、ガラス越しでも透過しやすく、地表に届く紫外線の約95%を占めると言われています。
このように、トラックドライバーは運転中の長時間にわたって紫外線を浴び続ける職業です。そのため、「服・帽子・サングラス」「日焼け止め」「車両ケア」「事後ケア」の4つを軸にした総合的な日焼け対策が欠かせません。いずれかを怠ると、片側焼けの悪化や将来的な皮膚疾患のリスクが高まります。
トラックドライバー向け日焼け対策【ファッション編】
長時間の運転が続くトラックドライバーにとって、紫外線対策は作業効率や健康を守るために欠かせません。特に服装やアイテム選びは、手軽で即効性がある紫外線対策のひとつです。ここでは、ドライバーが実践しやすいファッション視点からの日焼け予防策を以下の順で紹介します。
- 長袖を着る
- 帽子をかぶる
- サングラスを活用する
まずは「長袖を着る」について見ていきましょう。
1.長袖を着る
トラックドライバー向け日焼け対策【ファッション編】、1つ目は「長袖を着る」です。
運転中、特に紫外線の影響を受けやすいのが肘・手首・襟元といった部位です。これらは窓に近く、太陽の光をダイレクトに受ける位置にあるため、日焼けしやすいポイントといえます。
そのため、これらの部位をしっかりカバーできる長袖の着用が非常に有効です。とくにUVカット加工のある素材を使用した作業着や、腕全体を覆うアームカバーなどは、手軽かつ効果的な選択肢となります。特に、UPF(紫外線保護係数)評価の高い衣類は、肌に届く紫外線の量を大幅に軽減することが期待できます。また、一般的な白い綿のTシャツでも紫外線を約30%遮断できますが、UVカット加工が施された素材であれば90%以上の紫外線を防ぐことが可能とされています。
紫外線対策としての衣類は、日焼け止めのように時間で効果が薄れることがない点も大きなメリットです。運転時に露出しやすい部位をしっかり覆える長袖を選ぶことで、紫外線による皮膚へのダメージを効果的に防ぐことができます。
2. 帽子をかぶる
トラックドライバー向け日焼け対策【ファッション編】、2つ目は「帽子をかぶる」です。
顔や頭部もまた、日焼けによるダメージを受けやすい部位です。運転中は屋外にいないとはいえ、日差しは前面のガラスを通じて頭頂部や額に容赦なく降り注ぎます。
そのため、つば付きの帽子を着用することで、顔上部や頭皮の紫外線暴露を大幅に減らすことが可能です。中でも、7.5cm以上のつばの広い帽子は、耳や首まで日差しを遮ることができ、顔全体のUV曝露量を減らす効果が期待でき、UVカット機能を備えた通気性の高い帽子であれば、夏場の暑さ対策にもなります
通気性のある構造を選べば、暑さ対策にも有効であり、長時間の運転時にも快適に使用できます。帽子はシンプルながら、非常に頼りになる日焼け防止アイテムです。
3.サングラスを活用する
トラックドライバー向け日焼け対策【ファッション編】、3つ目は「サングラスを活用する」です。
紫外線は皮膚だけでなく目にも深刻なダメージを与えることが知られており、UVカットサングラスの着用は視覚器官の保護において不可欠な手段です。特に、UV400表示のあるサングラスは、紫外線A波(UV-A)・B波(UV-B)ともにカットできることが、期待できます。さらに、偏光レンズ付きのサングラスは路面や車のフロントガラスなどからの反射光を抑える効果もあり、視界のギラつきを防ぐことで、運転中の集中力を維持しやすくなります。
紫外線対策と安全運転の両面から、サングラスの活用は非常に重要です。
トラックドライバー向け日焼け対策【ボディケア編】
運転中に肌へ直接降り注ぐ紫外線に対して、衣服や車両設備による防御に加え、肌に直接塗る日焼け止めの使用が重要です。とくにUVAはガラスを透過しやすく、皮膚の真皮層まで到達してしわ・たるみ・皮膚がんのリスクを高めることが知られています。ここでは、ドライバーが実践しやすいボディケアの視点からの日焼け予防策を紹介します。
では、「日焼け止めを塗る」について見ていきましょう。
日焼け止めを塗る
トラックドライバー向け日焼け対策【ボディケア編】、1つ目は「日焼け止めを塗る」です。
日焼け止めを選ぶ際は、SPF(UVB対策)とPA(UVA対策)の値に注目する必要があります。SPFは「サンバーン(赤み・炎症)」を防ぐ指数であり、数値が高いほど効果持続時間が長くなります。一方PAは、UVAからの防御効果を表し、+の数が多いほど効果が高いことを示しています。
また、運転中は汗や衣服との摩擦により日焼け止めが落ちやすいため、耐水性(ウォータープルーフ)があるタイプや、ジェル・乳液タイプの軽い使用感のものを選ぶと良いでしょう。加えて、2〜3時間おきの塗り直しが推奨されており、長時間効果を維持するには継続的なケアが不可欠です。
さらに、耳・首・手の甲・鼻の側面などは塗り忘れが起きやすい部位です。こうした部位も紫外線を集中的に受けるため、細かい塗布と塗り直しの意識が日焼け防止の精度を高めます。
トラックドライバー向けの日焼け対策【車両編】
車内にいるからといって紫外線の影響を受けないわけではありません。実際には、窓ガラスを通してUVAが入り込み、長時間運転するトラックドライバーの肌へとダメージを与え続けています。ここでは、ドライバーが実践しやすい車両内の視点からの日焼け予防策を以下の順で紹介します。
- 停車中にカバーを使う
- 車窓からの紫外線透過率と注意点
- UV-AとUV-Bの違い
まずは「停車中にカバーを使う」について見ていきましょう。
1. 停車中にカバーを使う
トラックドライバー向け日焼け対策【車両編】、1つ目は「停車中にカバーを使う」です。
停車時の車内は直射日光が集中しやすく、紫外線の影響も強くなります。とくに仮眠や休憩中は無防備な状態になりやすく、長時間の曝露が蓄積ダメージにつながります。サンシェードや遮光カーテンを使用することで、車内の温度上昇や紫外線の侵入を効果的に防ぐことが可能です。
環境省や各自治体の熱中症予防指針でも、車内での遮光対策は重要な手段として紹介されています。直射光を遮ることで、皮膚だけでなく目や頭皮への負担も軽減できるため、休憩時の紫外線対策としてカバー類の常備は必須です。
2. 車窓からの紫外線透過率と注意点
トラックドライバー向け日焼け対策【車両編】、2つ目は「車窓からの紫外線透過率と注意点」です。
一般的な自動車のフロントガラスは、紫外線B波(UV-B)に対してはある程度の遮断性能を持ちますが、側面のサイドガラスはUV-Aをかなり透過するケースもあるとされています。
このため、走行中に片側(特に窓側)の腕や顔が焼けやすい“片焼け”が起こる原因にもなります。UV-Aは肌の真皮層にまで到達し、しわ・たるみ・光老化の要因となるため、UVカットフィルムや遮光シェードの追加装備が有効です。
窓ごとに紫外線の透過率が異なるため、フロント・サイドそれぞれに適した対策を講じることが、全体的な紫外線リスクの軽減につながります。
3.UV-AとUV-Bの違い
トラックドライバー向け日焼け対策【車両編】、3つ目は「UV-AとUV-Bの違い」です。
紫外線は波長の違いによってUV-A(長波長)とUV-B(中波長)に分類されます。UV-Aは肌の奥深くまで届き、コラーゲンを破壊するなどしてしわやたるみの原因となりやすく、またUV-Bは肌表面に作用して赤みや炎症(日焼け)を引き起こします。
車内では、UV-Aはガラスを透過して届き、UV-Bはある程度カットされるという環境下にあるため、ドライバーは両方の波長に対応した対策を取る必要があります。衣類やフィルム、日焼け止めなどを適切に組み合わせることで、両波長に対する防御力を高めることが可能です。
トラックドライバーが日焼けしやすい部位
運転中は特定の体の部位に日差しが当たり続けるため、紫外線ダメージが偏りがちです。特に顔・腕・手首・首まわりなどの露出部分は、紫外線によるしみ・しわ・炎症などが発生しやすく、皮膚トラブルの蓄積にもつながります。ここでは、トラックドライバーが日焼けしやすい部位を以下の順で紹介します。
- 体の右側(腕・顔)→右ハンドルの場合
- 首筋・うなじ
- 胸元・襟元
- 手首・肘の内側
まずは「体の右側(腕・顔)→右ハンドルの場合」について見ていきましょう。
1. 体の右側(腕・顔)→右ハンドルの場合
トラックドライバーが日焼けしやすい部位、1つ目は「体の右側(腕・顔)→右ハンドルの場合」です。
日本のトラックは右ハンドルが主流であるため、運転中は右腕や右頬が常に窓際にあり、長時間UV-Aに晒されるリスクが高くなります。この片側集中型の紫外線曝露は、光老化(皮膚の偏った老化)やしみ・色素沈着の一因とされています。
特にガラスを透過するUV-Aは無意識のうちにダメージを蓄積させるため、フィルム、長袖、日焼け止めの厚塗りなどの右側の重点ケアが必要不可欠です。
具体的な日焼け対策の方法は、長袖を着る、日焼け止めを塗る、停車中にカバーを使うでも紹介しています!
2. 首筋・うなじ
トラックドライバーが日焼けしやすい部位、2つ目は「首筋・うなじ」です。
運転中は背もたれで守られていると思われがちですが、背面からの反射光やサイドミラー周辺からの斜め光により、首筋やうなじにも紫外線が届いています。とくに短髪や結んだ髪型では露出面が増え、無防備になりがちです。
襟付きのシャツやタオル・ネックガードなどで首まわりを物理的に覆う対策が効果的とされています。
具体的な日焼け対策の方法は、長袖を着るでも紹介しています!
3. 胸元・襟元
トラックドライバーが日焼けしやすい部位、3つ目は「胸元・襟元」です。
暑さ対策として襟を開けた服装を選びがちな夏場は、胸元や鎖骨まわりが露出しやすく、紫外線が入り込むリスクが高くなります。とくに角度的に上から差し込む日差しは、開いた首元に直撃しやすいため注意が必要です。
ハイネックのインナーや襟付きシャツなどを活用して、露出部を減らすことが有効な予防策になります。
具体的な日焼け対策の方法は、長袖を着るでも紹介しています!
4. 手首・肘の内側
トラックドライバーが日焼けしやすい部位、4つ目は「手首・肘の内側」です。
ハンドル操作の姿勢では、手首や肘の内側が窓に向けて開いた状態になりやすく、日光が直接当たりやすい構造となっています。特に長袖をまくっている場合や、袖の位置がズレていると、日焼けしやすいポイントとなります。
袖口を調整して覆う・日焼け止めを塗る・アームカバーを活用するなど、露出しがちな部位の管理が重要です。
具体的な日焼け対策の方法は、長袖を着る、日焼け止めを塗るでも紹介しています!
トラックドライバー向け日焼け対策の注意点
紫外線対策を行う上で、正しい製品選びとケア方法は欠かせません。特に長時間運転を続けるトラックドライバーにとっては、肌への優しさや着用時の快適性が重要になります。間違った対策はかえって肌トラブルや体調不良を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。ここでは、トラックドライバー向け日焼け対策の注意点について以下の順番で紹介します。
- メントール入り・刺激の強い日焼け止めや保湿剤の使用
- 厚塗りの日焼け止めのまま汗をかき放置
- 通気性の悪い素材で長時間の運転をする
まずは「メントール入り・刺激の強い日焼け止めや保湿剤の使用」について見ていきましょう。
1. メントール入り・刺激の強い日焼け止めや保湿剤の使用
トラックドライバー向け日焼け対策の注意点、1つ目は「メントール入り・刺激の強い日焼け止めや保湿剤の使用」です。
メントールや香料を含む日焼け止めや保湿剤は、爽快感を与える一方で、肌への刺激や目への揮発成分による違和感のリスクがあります。とくに運転中は、かゆみ・しみ・刺激臭が集中力低下の原因となる可能性があります。
また、アルコールや香料などの添加物は、肌のバリア機能を低下させることが報告されており、敏感肌の方はとくに注意が必要です。使用する製品は、低刺激・無香料・敏感肌対応と明記されたものを選ぶと安心です。
2. 厚塗りの日焼け止めのまま汗をかき放置
トラックドライバー向け日焼け対策の注意点、2つ目は「厚塗りの日焼け止めのまま汗をかき放置」です。
日焼け止めは厚く塗れば効果が高まるという誤解がありますが、過剰な塗布は毛穴の閉塞を引き起こし、皮膚炎やニキビの原因になることがあります。さらに、汗と混ざった日焼け止めをそのまま放置すると、皮脂や老廃物と反応して炎症を悪化させるおそれもあります。
皮膚科学的な推奨では、適量(顔ならパール2個分程度)を均一に伸ばし、汗をかいた後は塗り直すことが推奨されています。こまめなケアが、日焼け防止と肌トラブルの両面において効果的です。
3. 通気性の悪い素材で長時間の運転をする
トラックドライバー向け日焼け対策の注意点、3つ目は「通気性の悪い素材で長時間の運転をする」です。
UV対策を重視しすぎて、通気性の悪い服(厚手の化繊など)を長時間着用すると、体温調節が難しくなり、汗疹や熱中症のリスクが高まります。とくに夏場のトラック車内は高温多湿になりやすく、服の素材によっては肌に張りついてかぶれを起こすこともあります。
衣服の選定では、UVカット加工された吸汗速乾素材や通気性の高いメッシュ生地などを選ぶことが推奨されます。これにより、紫外線からの防御と快適性の両立が可能になります。
トラックドライバーの肌を守るUV対策まとめと提案
トラックドライバーにとって、紫外線対策は日々の運転を安全に、そして快適に続けるための大切なセルフケアです。肌のダメージを防ぐだけでなく、集中力の低下や慢性的な疲労感の予防にもつながる可能性があります。
紫外線は日々少しずつ蓄積されるため、「今日は長袖だけ」「次はサンシェードを追加」といったように、1つずつ無理なく取り入れていくことが継続のコツです。
まずはできるところから。服装・日焼け止め・車両設備・ケアの4つを意識しながら、毎日の対策を積み重ねることで、肌と健康を守る確かな一歩となります。