

スペースが発表 新調達モデルで仕入コストを7%削減
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株式会社スペースが新たな調達モデルを発表
2025年7月22日、スペースは、物流の空車回送を有効活用した調達スキームの構築しました。仕入コストの削減と供給安定性を同時に実現する新たな調達モデルを発表しました。
背景・課題:慢性化する空車回送と物流コスト増
日本国内では、トラック輸送の60%以上が空車状態で回送されるという非効率な状況が常態化しています。さらに、過去5年間で燃料費は約57%、最低賃金は約11%上昇しており、運送コストの高騰が続いています。これにより、多くの企業が物流費を販売価格に転嫁せざるを得ず、最終消費者の負担も増加しています。
また、物流費の抑制を目的として調達先を近隣に限定する調達戦略が一般化していました。しかし、希望する品質や品目を持つ産地からの仕入れを困難にする要因となっていました。このような課題に対し、物流設計の視点から抜本的な改善を図ったのが、スペース社の調達スキームです。
遠距離産地でも安価かつ安定供給
スペースの提案するスキームは、従来の原材料の配送と加工品の輸送が独立している状態から、独自の輸送方法を確立し、産地とメーカーをつなぐ循環型の輸送ルートを構築します。具体的には産地・中継拠点・納品先を効率的につなぐ循環型ルートを構築します。特に、戻り便(帰りのトラック)を有効活用する点がコスト削減に大きく貢献します。
導入メリット:物流課題の抜本的解決
導入により得られるメリットは以下の3点です。
- 空車回送の有効活用による運送費の削減(実績値:7%)
- 安定的な契約栽培品の確保による安定供給
- 出荷設計の支援による調達業務の複雑な業務を削減
今後の展開:青果から日用品・食品へ
このスキームは、青果物流にとどまらず、加工工場、小売チェーン、外食チェーン、業務用卸など幅広い業種への応用が可能です。今後は農産物以外にも日用品や加工食品への展開も視野に入れています。
シリーズA資金調達も開始:成長加速へ
また、同社は本モデルの更なる拡大に向けてシリーズAラウンドの資金調達を開始します。調達資金は、開発人材の拡充、物流システムの内製開発、マーケティングへの投資に活用される予定です。
代表コメント
スペース代表の村井美映氏は「物流は単なる効率化やコスト削減にとどまらず、“いい商品を、必要な量だけ、確実に届ける”ことが重要だとスペース社は考えています。今後は、農業に加えて食品・日用品など多様な業種にも展開し、地域や業種の枠を超えた物流最適化と安定供給を両立。さらに、持続的な循環型サプライチェーンの構築を通じて、地域経済や生活コストの負担軽減にも取り組んでいく方針です。」とコメントしています。(※PRTIMESの記事より)
参考サイト
・『【仕入コスト削減×安定供給】メーカーと農作物を結ぶ中継輸送の新スキームを構築 ― “近い”にとらわれない「新調達術」』