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日新と千代田化工建設と東京海上日動、新幹線による細胞輸送を実証

新幹線を活用した医療用細胞輸送の実証実験、日新・千代田化工建設・東京海上日動の3社が共同実施

日新、千代田化工建設、東京海上日動火災保険の3社は、2025年7月1日から2日にかけて、新幹線を利用した医療用細胞のテスト輸送を実施しました。本取り組みは、医療分野における輸送品質の向上と、迅速な物流サービスの実現を目的としています。

テスト輸送の概要と使用機材

実証実験では、ヒト骨髄由来間葉系間質細胞を輸送対象とし、パナソニックの高機能保冷容器「VIXELL Type-S(+15~+25℃、DRY ICE対応)」を使用しました。7月1日は神奈川県横浜市~東京駅~新青森駅までをハンドキャリー輸送、7月2日は新青森駅から東京駅までをJR東日本物流の「はこビュン Quick」による新幹線輸送、東京駅から神奈川県横浜市までは再びハンドキャリーで実施されました。

また、神栄テクノロジーの協力のもと、輸送中の温度・衝撃などのデータ分析も行われたました。

各社の役割と取り組み

日新

医薬品物流事業の一環として、VIXELLを用いた細胞輸送サービスを展開しており、今回の実験では「はこビュン Quick」の運送約款に準拠した形で新幹線輸送の実用性を検証した。

千代田化工建設

医薬品製造・研究施設の設計・施工で培った知見をもとに、輸送が細胞に与える影響を評価しました。

東京海上日動火災保険

ロスプリ&テクノロジー戦略チームが細胞輸送中のデータ計測と分析を担当しました。

新幹線輸送の有効性

実験では、新幹線輸送によって定時性と利便性の向上が確認されました。また、従来のハンドキャリーによる保冷トラック輸送と比較して、環境負荷の軽減や労働力不足への対応にも効果があるとされています。

今後の展望

今後3社は、今回の実証で得られた知見を活かし、鉄道輸送規則に準拠した新たな医療物流サービスの構築を目指して連携を継続するとしています。

まとめ:医療物流の新たな選択肢としての鉄道輸送

再生医療の発展により、温度管理など高度な輸送品質が求められる中、トラック輸送の人手不足や環境負荷が課題となっています。今回の新幹線を活用した細胞輸送は、定時性や効率性を兼ね備えた有力な代替手段として注目される。医療物流の持続可能性を考える上で、鉄道活用の可能性は今後の重要な選択肢となります。

参考サイト

・『新幹線を利用した細胞のテスト輸送を実施【新青森駅~東京駅間】~医薬品物流にさらなる品質向上と迅速性を提供~

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