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荷主同乗「同乗案件」全国初摘発 運送会社元所長らが道路運送法違反容疑で逮捕

軽急便の「同乗案件」を全国で初摘発!元所長ら道路運送法違反で逮捕

軽急便の東京営業所元所長ら2名が、国の許可を得ずに荷主企業の従業員を車両に同乗させ有償で輸送したとして、警視庁交通捜査課は道路運送法違反容疑で逮捕しました。摘発された手法は「同乗案件」と呼ばれ、今回が全国初の摘発例となりました。法人としての軽急便も、2024年7月8日付で書類送検されています。

逮捕されたのは、軽急便東京営業所の元所長・橋川達哉容疑者(32歳)所長の加藤尚容疑者(49歳)です。調べに対し橋川達哉容疑者は、「得意先の要望に応えるため」「専属契約を結ぶため」と容疑を認め、加藤尚容疑者は「本社では違法運送ではないと見解を示した。旅客運送の対価を受け取っておらず、違法ではないと思った」などと供述しています。

「同乗案件」とは、運送を依頼した荷主企業の従業員を貨物と一緒に輸送するという手法です。軽急便東京営業所では、電気機器メーカー2社からの依頼に応じ、テレビモニターや作業用工具を配送する際、作業担当のメーカー社員を助手席に同乗させていました。

荷主従業員の有償同乗が違法行為に、約1億円以上の売上か

通常、貨物運送業者は荷物のみを運ぶ契約であり、人の輸送には「一般旅客自動車運送事業」の許可が必要となります。この許可を得ないまま、有償で人を運んでいた点が道路運送法に抵触しました。軽急便はメーカー2社から違法営業によって約1億円の売上を計上していたとみられています。2024年3月から5月まで24回の無許可での人員輸送が行われていたとのことです。

この事件では、橋川容疑者のほかに軽急便の東京支店長、運転手、取引先企業の契約担当者ら複数人が、道路運送法違反または幇助(ほうじょ)の疑いで書類送検されています。警察は関与したすべての関係者について法的責任を追及を進めています。

貨物運送業(貨物自動車運送事業)と、タクシーやバスなどの旅客運送業(一般旅客自動車運送事業)は、法律上明確に区分されています。有償で人を運ぶには厳格な許可制度が設けられており、無許可での営業は重大な違法行為にあたります。

無許可運送の危険性、捜査幹部が警告

捜査幹部は、「金銭を受け取り、人を運ぶ場合には、必ず国の許可が必要」と強調し、「乗る側も幇助罪に問われる可能性がある」と警告しています。また、無許可営業の場合、交通事故が発生した際の補償保険の適用にも大きな問題が生じるおそれがあります。

参考サイト

・『運送会社「軽急便」元所長ら逮捕、荷物とともに荷主従業員を無許可運送疑い 全国初摘発 産経新聞

・『運送会社「軽急便」無許可で“人”を運送 営業所長ら2人逮捕 NHK NEWS

・『「同乗案件」初摘発 逮捕の容疑者「本社が違法ではないと…」と供述 毎日新聞